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映画「エスター」ネタバレ感想

2017-05-06 カテゴリ:糞記事

GW暇だったので「どんでん返しのすごい映画」みたいなスレに出てた「エスター」という映画を見た。なかなかおもしろかった!

■あらすじ

エストニアのやべー奴が大暴れする。

■アルコールがキーワードかと勘違いした!

どんでん返しがあるということだけは知っていたので、それがどんなもんか予想しながら見た。

主人公がアル中だったという描写がたびたび登場したので、幻覚や妄想でエスターを悪者だと思い込んでしまうようなストーリーなんじゃないかと思った。スティーブンキング版の「シャイニング」みたいな。主人公はアル中が治ったと思い込んだまま酒を飲み続けていて、悪いことを全部エスターのせいだと感じてしまうとかそんなの。

実際のストーリーはもっと物理的だった。エスターは身体の成長が止まってしまう病気で、さらに非常に凶暴な性格の持ち主なんだと。実は子供じゃなかったのだ。歯医者に行かなかったのも永久歯だとバレるから。

■エスターとは何者か?

エスターはエストニアで7人殺し、アメリカでは養子として迎え入れた夫婦を家もろとも焼き殺している。さらに作中で孤児院の女をハンマーでたたき殺し、主人公の夫をメッタ刺しにして殺している。とんでもない奴である。

作中でエスターがパーソナリティ障害の子どもではないかとするシーンがある。「一見魅力的だが、友達を作れず友情は長続きしない」「巧みに人を操り、目的達成のために人をいがみ合わせる」のがその特徴なんだと。

ピアノも弾けるし、手話もちょっと勉強すればすぐ覚えてしまう。確かにエスターの能力は高い。

だが33歳が9歳に混じれば魅力的にも見えるだろう。9歳の中では魅力的でも33歳として魅力的かは別問題だ。そういう意味では「一見魅力的」というパーソナリティ障害の特徴と一致するとは限らないように思う。

実際、作中でもエスターが人格障害であるとはっきりとは描かれない。あくまでも「心を病んだ患者さん専門の病院」に入っていた33歳の荒くれ女である。

■哀れなりエスター

主人公の夫はブラックライトに照らされたエスターの部屋を見てその本性を知る。幸せな物語を描いていたかに見えたエスターの絵は、どこの中二病患者だよというような血と殺戮に満ちたものだった。

だがその絵を剥がした下にさらに隠されていたものこそエスターの本質なのだろう。普通の愛に対する渇望と、それが叶わないことに対する絶望と憤怒である。だからこそ主人公の夫に拒絶されたとき、エゴを爆発させ殺人へと向かったのだ。

■対エスター戦立ち回り

やべー奴だと最初から分かっているならガタイのいい俺のが有利だが、それでも自分の腕をへし折れるような女に勝てるかどうか。ローキックで攻めてたはずがなぜかアキレス腱を切られてぶっ倒れているとかそんな絵面が浮かぶ。

なんにせよ、エスターに殺されたり殺されかけた連中に共通しているのは、敬意が欠けていたということのように思う。主人公の夫はエスターに言い寄られたとき彼女を子どもと見下し突き放した。主人公の息子は最初からエスターを馬鹿にしていた。主人公は直接エスターを貶したことはなかったが、夫と愛し合う場面を見られたあと、子どもにはこの程度の説明で十分だろうというような扱いをした。

あんな奴になんで敬意を向けねばならんのだ! と言いたくなるが、社会には実際そういう奴がいるんだというのがこの映画の怖いところでもある。敬意を絶やさず、腰を低く、低姿勢でいることが社会人には大切なんだろうなあと感じた。羊たちの沈黙シリーズでレクターから信頼されていた職員なんかはまさにそんなタイプ。

エスター対策には正直と敬意が大事なんだと思う。